■景気悪化で20年ぶりの23兆円台
2009年外食産業市場規模推計でもっとも大きな話題といえるのは、外食産業市場規模が24兆円をわりこんだことだ。外食産業市場規模が23兆円台になったのは1989年以来20年ぶりの出来事。1989年は外食産業市場規模が右肩上がりに推移していたときであり、2009年とは状況が異なる。外食産業市場規模は、2003年から6年連続して24兆円だいで推移していた。
2009年外食産業市場規模は景況悪化で外食支出が減少したことに加え、法人交際費現象が影響している。家計調査で2009年の1人当たりの外食支出を見ると、前年比1.5%減の5万1869円となった。勤労者(サラリーマン)世帯の実収入や可処分所得の減少によって外食意欲が減退したことが響いたと見られる。同時に確定値は発表されていないものの、法人交際費の減少が影響した模様だ。企業業績が好転しない状況で、企業の経費削減を進むため法人交際費の減少分も織り込んでいると見られる。
料飲主体部門を見ると、喫茶店・居酒屋等、料亭・バー等のいずれも前年割れ。外食支出のなかの喫茶代、飲食代が減少していることに加え、法人交際費も減少する予測をしたもようだ。喫茶店・居酒屋等は、同2兆238億円。2009年にセルフ喫茶チェーン、居酒屋チェーンともに既存店が振るわず、出店意欲が減退傾向にだったことが市場縮小に響いたと見られる。喫茶店・居酒屋等、に含まれる喫茶店、居酒屋・ビヤホール等はいずれもかろうじて1兆円を保っている状態。料亭・バー等は同3.9%減の2兆7774億円で、法人交際費の減少が影響したもようだ。
居酒屋とは、大辞林によると「簡単な料理とともに安く酒を飲ませる大衆的な酒場」である。この「大衆的な酒場」は1980年以降、若者や女性客をうまく取り込むことに成功した大手チェーンによって急速に成長した。しかし、居酒屋の市場規模は92年の1兆5000億円で頭打ちとなり、特に96年以降は毎年減少し続け、2004年には約1兆1000億円に落ち込んだ(外食産業総合調査研究センターの推計値)。
市場縮小の背景には、居酒屋に対する消費者ニーズの変化や飲酒量の変化がある。リンク総研が06年1月に行なった「居酒屋利用実態調査」によると、最近、飲酒量が減った人の割合が各世代とも3割前後となっており、「酒を飲ませるところ=居酒屋」のあり方にも影響を与えている。
マーケットサイズは縮小し続けても、日本の消費者は世界一豊かな位置にあるのは間違いない。また1200兆円の個人資産があり、可処分所得は増加している。このような、有り余る個人預金を引き出させる需要創造力のある店だけが成長を続けられよう。
今後、顧客が求めるものは、健康・快適性(アメニティ)・娯楽性(エンターテインメント)と言われている。この3条件の、一つを満たすだけでは、もはや存続は困難かもしれない。今後の顧客像は生活全般にボーダーレス化が進み、ノンエイジ・ユニセックス・オフタイム中心のライフスタイルが主流となるでしょう。
飲食業界では、QSCが大事だと言われている。Qは「クォリティ(商品の品質)」、Sは「サービス(好感度)」、Cは「クレンリネス(清潔・食の安全)」のことである。

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